シックハウス症候群関連

新築住宅やリフォーム後の住宅における、目がチカチカする、喉が痛いなどから始まり、ひどい症状になるとめまい、吐き気、頭痛などを起こす「シックハウス症候群」が問題になっています。その原因の多くは建材や家具、日用品から発散するホルムアルデヒドやVOCなどの揮発性有機化合物と考えられています。

測定にあたっては、事前調査や建物の聞き取り調査が重要です。
分析結果に対する事前調査・試料採取・分析値・解析まで責任を持って対応します。
また分析結果を基に化学物質低減化の対策についても対応可能です。

シックハウス症候群の代表物質
化学物質名 解 説
ホルムアルデヒド 無色で刺激臭があり、常温では気体。殺菌、防腐剤として使われる。建材では合板、パーティクルボード、家具、壁紙用の接着剤などから放散。室内の温度や湿度が高いほど放散が多くなる。嗅覚閾値は0.008ppmあたり。目、鼻、喉などに対する刺激、高濃度で不快感、流涙、くしゃみ、咳、吐き気などを起こす。
アセトアルデヒド 刺激臭のある無色の液体、沸点が20.2℃で高揮発性。合成樹脂、合成ゴムなどの様々な化学製品に使用。タバコの煙にも含まれ、お酒を飲んだ人間の体内でも生成され、二日酔いの原因になる。人の皮膚や粘膜(目、鼻、気道)に強い刺激を与える。
トルエン 無色で芳香を持ち、常温では可燃性の液体。揮発性が高く、内装剤の施工用接着剤や塗料、家具の接着剤などから室内に放散する。嗅覚閾値は0.48ppm。高濃度で喉や目に刺激、長期に浴びた場合、頭痛、疲労、脱力感などの神経症状や不整脈を起こす。
キシレン 無色で芳香を持ち、常温では可燃性の液体。接着剤や塗料の溶剤、希釈剤として通常は他の溶剤と混合して用いられる。揮発性が高く、高濃度では喉や目に刺激があり、長期暴露で頭痛、めまい、意識低下などを引き起こす。
エチルベンゼン 無色で特有の芳香を持ち、常温では可燃性の液体。接着剤や塗料の溶剤、希釈剤として通常は他の溶剤と混合して用いられる。高濃度の短期暴露では喉や目に刺激があり、数千ppmになるとめまいや意識低下を起こす。
パラジクロロベンゼン 無色または黄色を帯びた特徴的な臭気。ポリスチレン樹脂、合成ゴム、合成樹脂塗料、断熱材、浴室ユニット、家具などから室内に放散。60ppbで臭気を感じ始め、高濃度の場合は目や鼻への刺激、眠気、脱力感、めまいを引き起こす。
テトラデカン 通常、無色又は白色の結晶で特有の刺激臭を有し、常温で昇華。衣類の防虫剤やトイレの芳香剤などに使用。雰囲気で目や鼻に痛みを感じる。慢性的に浴びると肝臓及び腎臓の機能低下及び損傷を生じることがある。発ガン性物質。
ホルムアルデヒド 石油臭を有し,常温では基本的に無色透明な液体。 灯油・塗料などの溶剤に使用。皮膚に直接触れた場合,皮膚の乾燥などが生じる。
クロルピリホス 常温では無色または白色の結晶、揮発性はかなり低い。有機リン系の殺虫剤で家庭内では防蟻剤として床下などに使用。軽症の中毒時の症状として、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、腹痛などを起こす。
フェノブカルブ 純品は無色の結晶でわずかな芳香臭がある。防蟻剤・その他水稲、野菜などの害虫駆除に使用される。アセチルコリンエステラーゼを阻害する。
ダイアジノン 純品では弱いエステル臭を有し,常温では無色のやや粘ちょう性の液体。殺虫剤の有効成分として使用。アセチルコリンエステラーゼを阻害する。
フタル酸ジ-n-ブチル 無色〜微黄色の特徴的な臭気を有し,常温では粘ちょう性の液体。塗料・顔料・接着剤に使用される。高濃度になると目、皮膚、気道に刺激を与えることがある。
フタル酸ジ-2-
エチルヘキシル
無色〜淡色で特徴的な臭気を有し、常温では粘ちょう性の液体可塑剤。壁紙、床材、各種フィルム、電線被覆などに汎用されている。高濃度で目、皮膚、気道に刺激を与える。反復又は長期の接触により皮膚炎を起こす。
また、多種類の化学物質を総合的に評価する総揮発性有機化合物(T-VOC)について、400ug/m3以下という暫定目標値が定められております。室内濃度値が指針値以下であるにもかかわらず、体調不良が起きているケースでは、このT-VOCの総量が大きいことが原因であることが多いようです。

空気環境測定方法

1.アクティブサンプリング−機器分析法
ポンプで30分間空気を吸引吸着させ、分析室で分析(高速液体クロマトグラフ・ガスクロマトグラフで分析)
【長 所】
厚生労働省の標準的測定方法
測定値の理論的担保がなされている。
試料採取から分析まで、分析機関が担当する。
【短 所】
短時間で室内全体を評価する。
試料採取時の状態に左右されやすい。
熟練技術者派遣のため測定数に限りがあり、コストが高い。


2.パッシブサンプリング−機器分析法
拡散式吸着剤を8〜24時間室内に吊り下げ、分析室で分析(高速液体クロマトグラフ・ガスクロマトグラフで分析)
【長 所】
品確法(国土交通省)の推奨測定方法
長時間試料採取により、室内の現状を反映する。多数検体を同時に採取でき、熟練技術者の派遣が不必要(コストが安価)
【短 所】
試料採取時の状況を完全に把握できない。
拡散式吸着剤メーカーによるバラツキがある。


3.簡易測定
検知管・センサー・比色法 etc
公共物件(公営住宅)では認められていない。住宅性能表示(品確法)でも認められていない。
公共物件(学校)では「学校環境衛生の基準」によりスクリーニング法として使用することを認めております。
【長 所】
測定結果が現場で判る。
安価である。
(測定機器によっては、高価の場合あり)
【短 所】
反応物質についての特異性により、不正確となる。短時間タイプについては室内を反映しない。

シックハウス症候群関連

新築や改築後における室内空気中の化学物質濃度測定やシックハウス、シックスクール
などの化学物質の調査を、法令に基づき第三者機関による測定報告書を発行いたします。

【対象法令】
@ 品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)
A 学校環境衛生の基準
B 公営住宅建築工事、官庁営繕工事、官庁建築物における室内空気中の化学物質濃度の測定
C ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)

【測定方法】
  
  試料採取前の換気  対象室は、30分間換気後5時間以上密閉する。
            (備付家具などの開閉部は開放する。)

拡散方式(パッシブサンプラー)
 
原則的に24時間設置する。
(8時間以上24時間未満の場合は、
午後2〜3時を中心とする。)

吸着材を設置するだけです。
吸引方式(アクティブサンプラー)
 
30分間以上、同時あるいは連続して2回採取する。
(午後2〜3時に採取する。)


ポンプで空気を吸引します。

濃度測定  厚生労働省の室内空気中化学物質標準的測定方法によります。
ホルムアルデヒド


DNPH捕集-溶媒抽出
高速液体クロマトグラフ法
トルエン等(VOCs)

(トルエン・キシレン・スチレン
エチルベンゼン・パラジクロロベンゼン)

固相吸着-溶媒脱着
ガスクロマトグラフ(質量分析計)法


【結果報告】
速報値については、翌日に連絡いたします。

仕様書に記載されていることのある
【計量法に基づく環境計量士を設置した計量証明事業所】としての報告書を提供いたします。


試料採取者
測定前の換気状況
採取日の気象条件・状態(温度湿度など)
厚生労働省の指針値
などを記載してあり、第三者機関による客観的な報告書です。